サウジアラビア 民間企業の海外食料生産を支援する新たな公企業

農業情報研究所(WAPIC)

09.3.15

 フィナンシャル・タイムズ紙の報道によると、サウジアラビア政府が海外農業プロジェクトに投資する新たな公企業に8億ドルを注ぎ込む。新会社は、国の食料輸入依存を減らすためのジョイントベンチャー形成で海外に投資するサウジアラビア企業を支援する。英国のアグリビジネス・コンサルタントは、これほどの基金は現在の農業投資分野では”巨大”で、このスケールで事業を有効にこなすのは”巨大な挑戦”と言っているそうである。

 新会社は、国の”公共投資基金”が所有し、”サウジ農業投資動物生産会社”と名付けられる。サウジアラビア政府は二国間協定によって民間部門の海外農業投資の環境を整えようとしているが、今までにアフリカ、アジア、東欧、オーストラリア、アルゼンチンなどの少なくとも20ヵ国と接触している。プランテーションの最小規模は5万fという。

 サウジアラビアは、2016年までに小麦生産を段階的に廃止することになっている(小麦自給の夢達成の砂漠国・サウジ 2016年まで小麦生産撤退 輸入国に(08.4.11))。小麦を生産してきたサウジアラビア企業は海外生産に関心を示しているが実行にはためらいもあり、政府資金による後押しが不可欠と考えられているということだ。

 Saudis set aside $800m to secure overseas food,Financial Times,09.4.15,p.6
  または
  Saudis set aside $800m for foreign food,FT.com,4.14
  http://www.ft.com/cms/s/0/59a9da3a-2920-11de-bc5e-00144feabdc0.html

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