オーストラリアと中国の干ばつ減収予想 小麦・大豆の国際価格が一段と上昇

農業情報研究所(WAPIC)

07.9.11

  週明けのシカゴ商品取引所、小麦の先物相場がまたも跳ね上がった。最も活発な12月契約では一時はブッシェル(約27kg)あたり8.7205ドルに達したのち、先週末より21.5セント高い8.65ドルで引けた。オーストラリア最後の頼みの綱であった先週末の雨がなく、前年に次ぐ大幅減収が確実になったためという。オーストラリア農業資源経済局(ABARE)の最新予測は小麦収穫量を2,250万トンと見込んでいたが、9月18日の予測では大幅な引き下げが予想される。1,500万トンでも楽観的と見る専門家もいる。西オーストラリア農業省は10日、前回を8.9%下回る510万トンの予測を発表した。

 Speculation over Opec move grows,FT.com,9.10
 Grain prices up but, without rain, crops face chop,The Age,9.11

 他方、大豆相場も急伸、遂にブッシェルあたり9ドルを突破した。最大の消費国である中国の収穫が干ばつで前年を10%近く下回ると明らかにされ、一層の輸入が予想されたためという。また、米農務省が明日(9月12日)、来年の米国の収穫量を1988年6月以来の最高相場を記録した2004年以来最低となると予測するという憶測も相場を吊り上げたという。

 Soybeans Rally as Hot, Dry Weather May Threaten China Crop, Boost Imports ,Bloomberg,9.10

  2008年には世界が食料危機に近づくという警告(”クレージー”、天井知らずの小麦価格高騰 来年は食料危機に接近とアナリスト,07.9.5)がますます現実味を帯びてきた。

 小麦と大豆の相場が”暴騰”し始めた今年8月下旬以降の日ごとの先物相場の推移を下に示しておく。