農業情報研究所>農業・農村・食料>農業と環境・動物福祉>ニュース;2012年10月30日
ケニア 蜜蜂等の不足で園芸作物やコーヒーの品質と収量が低下 森林過伐や農薬で授粉昆虫が減少
ケニア農業研究所(Kari)園芸・工芸作物研究次長のLusike Wasilwa博士によると、授粉を媒介する蜂の著しい減少のために、国の園芸生産物の品質と収量が低下している。
彼女によると、顕花植物の8割は授粉媒介昆虫を必要とするが、森林やブッシュの過剰な伐採、過剰な農薬使用、農民の無知のために授粉を媒介する蜂が消えつつある。幾人かのパッションフルーツ栽培者は、授粉媒介者が十分にいないために、ときに収量が半分にも減ってしまい、プランテーションを切り払ってしまった。
トマトその他の温室栽培作物でも同じようなことが起きている。温室が害虫も益虫も締め出してしまうためだ。彼女たちは、品質と収量を確保するためにどのように人工授粉したらよいか、農民に手本を示さねばならなくなったという。
同じ研究所の別の上級研究者によると、コーヒー農民の間では問題はもっと広がっている。大規模な園芸農場やコーヒー農場は、作物授粉のための蜜蜂を飼う養蜂を始めた。
ケニアは授粉媒介者を取り戻すための7年計画でブラジル、ガーナ、インド、ネパール、パキスタン、南アフリカと連携している。しかし、博士は、これが成功するためには、適切な生息場所を提供したり、開花期に農薬使用を避けたりなど、農民が授粉昆虫に対する態度を変えなければならないと言う。
Lack of bees blamed for poor crop yields,The Nation,10.30
蜜蜂等授粉昆虫の減少がもたらす作物生産の危機が、先進国のみならず、世界中に迫っている。