農業情報研究所農業・農村・食料農業と環境>ニュース;2021年5月11日

 

米国 農業由来の大気汚染が年間17900の死につながっている

 

 『米国科学アカデミー紀要』(PNAS)に発表された新たな研究によると、米国の年間17900の死が農業食料生産に由来する大気汚染と関連している。その8割は家畜生産に関連している。

 

 糞尿や家畜飼料生産と関連したガスが何百マイルも離れたところまで飛ぶ微細で肺を痛めつける粒子(PM2.5)を生み出す。これが主犯だ。

 

 研究は、米国の農業生産の99%以上をカバーする95の農産商品と67の最終食料製品に起因する大気汚染に関連した健康被害を定量した。米国の農業生産は、年間17900の大気質関連死をもたらし、そのうち159008割は家畜生産による直接の汚染と家畜飼料生産(トウモロコシへの施肥)による間接的汚染に関連しているという。

 

 大気汚染関連死を減らすには、家畜飼養と施肥慣行の改善とともに、植物ベースの食事への移行が必要だという。

 

Air quality-related health damages of food [Sustainability Science], Proceedings of the National Academy of Sciences,21.5.11

Air pollution from farms leads to 17,900 U.S. deaths per year, study finds,The Washingtojn Post,21.5.11

 

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