バッタの地域郡で西アフリカに飢餓の危機 豪でもバッタとネズミが異常発生

農業情報研究所(WAPIC)

04.8.31

 連年の干ばつが収まらないオーストラリアの作物生産が、今年はさらにバッタやネズミの異常発生にも脅かされている。どちらも異常な高温と多少の雨がが引き金となった。3月から4月に生まれたバッタの卵が高温で大量に孵化した。この25年来の大発生が予想される。ニュー・サウス・ウェールズ州(NSW)では、冬穀物や牧草地が史上最悪のバッタ被害の脅威にさらされている。NSW農業者協会は、数百万ドルの損害もあり得ると言う(Locusts threaten harvest,Northern Daily Leader,8.26)。

 この条件は、ネズミの大量発生の条件も整えた。至る所で未だ青い作物を攻撃、地中の種を掘り返しているという(Mouse swarm fresh threat to farmers,The Daily Telegraph,8.23)。

 アフリカのバッタの大発生は現実の問題だ。昨年のアフリカ北西部の異例の雨は、砂漠バッタの大発生につながった。国連農業食料機関(FAO)等の懸命の努力にもかかわらず、次々と産卵・孵化を繰り返す群が、今や西アフリカ諸国全体の作物を食べ尽くそうとしている。この一群は、一夜にして2500人分の食料を食べ尽くす。FAOは87年から89年まで続いた前回の破滅的被害を上回る事態も予想されると警告している。前回の大発生は、強風がバッタを大西洋に吹き飛ばすことでのみ終わった。今回も、今やお天気頼みの様相を呈している。

 FAOは24日、結果は飢餓と死だと警告した。

 関連情報
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