韓国 消費者に直接販売する米国産輸入米に苦情が殺到 返品相次ぐ

農業情報研究所

06.4.25

  韓国聯号ニュースによると、米国産輸入米の品質に関する消費者の苦情で、消費者に直接販売するために公売で落札した業者の返品が相次いでいる。農林省報道官によると、苦情は味や臭いに関連している。こうした消費者の反応で、3月に最初に輸入された米国カリフォルニア産カルロス米が、3回の公売にもかかわらず、なお売れ残っているという。

 QUALITY COMPLAINTS CAUSE WEAK DEMAND FOR U.S. RICE IN S. KOREA,Yonhap,4.24
 http://english.yna.co.kr/Engnews/20060424/440100000020060424122855E6.html

 韓国は、WTOウルグアイ・ラウンド交渉で関税化を拒否、ミニマム・アクセスを受け入れたが、この協定が期限切れとなっても関税化を選ばず、2004年末に、拡大された輸入枠で2014年末まで一定量の米を輸入することを義務付ける協定を9ヵ国と結んだ。その10%から30%は消費者に直接販売せねばならないとされている。

 今年は、米国、中国、タイ、オーストラリアからの2万2557トンの米を、6月までの消費者に販売することになっている。7月以降、さらに年末までに輸入しなければならない3万4429トンを販売することになる。先月の米国産米1372トンに次いで、中国、タイからの米も既に荷揚げが済み、販売を目指して貯蔵されているという。

 米国から先月輸入されたカルロス米・1369トンのうち、300トンが公売で小売業者に引き渡される。公売は毎週水曜日に行われる。第一回目の公売は4月5日に行われた。しかし、消費者のこうした反応で、二回 目以降の公売での落札率は下がっている。二回目の落札率は22.7%、三回目」はさらに下がって10.2にしかならなかった。落札価格も下がっている。

 関係者は、販売を容易にするために卸売り業者の公売参加要件を緩和することを考えているが、それでも売り切れなければ、政府は、食品加工企業か、さらには軍隊の消費向けに引き渡すことができるように輸出国と協議するだろうという観測が出ているという。

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