中国 フィリピンでのソルガム生産に10億ドル投資 食料・飼料・バイオ燃料に利用

農業情報研究所(WAPIC)

07.2.15

  フィリピン・ニュース・エージェンシーによると、中国投資家グループがフィリピンで、食料・飼料・アルコール飲料・バイオ燃料の製造の使われるソルガム、干ばつ耐性の草の生産に推定10億ドル(約1200億円)を投資する。

 農業省によると、中国国内の100万fの土地でのアグリビジネスを通してハイブリッドトウモロコシ・コメを生産する中国企業・Fu Huaとフィリピン地方当局が、ターラック及びノエバ・エシハの両州で、中国が開発した6種の高収量ソルガム新品種の圃場栽培試験を行っている。ターラックの展示農場では、既に二品種が好成績をあげたと報告されている。

  China to invest US$ 1-B in Philippine sorghum production,PNA,07.2.14
  http://www.pna.gov.ph/index.php?&sid=6&pfn=80193&arch=1&go=Go&search_arch=Keyword&andor=and&mdte_arch=2&ddte_arch=14&ydte_arch=2007

 アロヨ大統領は、国の所得と仕事の増加を助けると、この計画を賞賛しているということだが、自国の土地・水資源だけでは食料・飼料・エネルギーを賄い切れなくなった中国が、近隣諸国の土地と水も直接収奪し尽すことにならないかと嫌な予感も走る。中国最大の農業投資家・Beidahung Heilongjiang Groupもフィリピン全土で20万fのアグリビジネスの開発に関心を表明しているというからなおさらだ。

  大豆やサトウキビのモノカルチャー・大規模プランテーションの拡大が環境・生物多様性を破壊し、多様な食料作物を栽培する小農民を駆逐し、食料安全保障を脅かしているブラジルのような事態にならないことを祈るのみである。

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インド企業 スウィート・ソルガムからのエタノール生産でフィリピン小農民と連携,07.1.30