オーストラリアのコメ生産 干ばつで前年より90%減 夏作物最新生産予測

 農業情報研究所(WAPIC)

07.2.20

 オーストラリア農業資源経済局(ABARE)が19日、干ばつのためにコメ生産が90%も減るなどとする2006/07年夏作物の最新生産予測を発表した。冬から続く厳しい干ばつで、夏作物全体の生産量は前年よりも59%減少して190万トンになる。これは1982/83年以来最低だ。コメ生産は90%減り、たったの10万6000トン、綿花は42%減って25万トン、ソルガムも51%減少で99万6000トンになると見込まれる。

 australian crop report,2007.2.20,No.141
 http://www.abareconomics.com/publications_html/crops/crops_07/cr07_feb.pdf

 大量の水を要するコメと綿花の栽培者は一部の収穫を放棄、減らされた配水を小さな面積で使うことにより残りの作物の収量を最大限にしようとしている。

 灌漑水不足のために、コメの作付面積は昨年よりも89%減って1万2000haになった。綿花播種面積は57%減り、1983/84年以来最小の14万3000haになった。ソルガム栽培面積も半減、42万7000haになると推定される。

 他方、収穫が終わった冬作物の生産量については僅かながら上方修正されたが、依然として10年来の最小となる。小麦生産は前期を61%下回る980万トン、大麦生産は62%減少して370万トン、カノーラは64%減少の51万3000トンと見込まれる(参照:豪州 作物大減収の最新予測 過剰な灌漑水利用が輸出農業の存続を脅かす,06.12.8)。