中国　肥料輸出税引き上げか　国内供給確保のために輸出抑制

中国　肥料輸出税引き上げか　国内供給確保のために輸出抑制

　国内農民への供給を確保するために、中国が肥料輸出税をすぐにも引き上げるかもしれない。北京オリエント・アグリビジネスコンサルタント社の研究者が、政府は最近の私的会合で輸出税引き上げ計画を生産者に告げたが、最終決定は生産者の反対で延期したと語った。

　中国は今年、4月20日から9月30日までの期間に限定、肥料輸出税を引き上げた。これは世界中の肥料価格の記録的レベルへの押し上げを手伝ったが、8月25日付けのScotia Capital Inc.のリポートによると、尿素の輸出税は、現在の135％から、9月には185％に引き上げられる。世界価格が国内価格の2倍以上になっているために、政府は輸出の洪水が起きるかもしれないと恐れているのだという。

　パリの国際肥料産業協会によると、2007年の最大の尿素輸出国はアジア諸国で、世界輸出市場の18％を占めた。主要輸入国はインドだった。中国の国内尿素供給は、今年前半に16％減った。アジア諸国の尿素輸出は、135％の輸出税が導入された4月の72万5000トンから、7月には13万6000トンに減った。中国の一部農民は肥料を購入するだけの経済力がない。

　他方、カリ・ベースの肥料は輸出が少なく、政府は輸出規制を緩めるかもしれないという。

なお、平成20肥料年度（平成20年７月～平成21年６月）価格に関する全農のメーカー各社との交渉結果では、輸入尿素価格は、平成19肥料年度当初価格に対して63.4%、同期中改定価格に対して53.14％の値上げが決まっている（全国農業協同組合連合会　平成20肥料年度　肥料価格交渉結果について）。輸入価格上昇でさらなる引き上げがあるのだろうか。

　参考：主要輸入相手国からの日本の尿素輸入量と輸入単価

輸入相手国	07年（t）	08年1－6月（t）	07年（yen／t）	08年1－6月（yen／t）
中国	135,905	73,277	42,200	50,800
マレーシア	104,850	57,103	41,500	58,100
カタール	28,294	5,000	46,800	55,200