タイ 米価維持の方策を求め、副商務相がベトナムに乗り込む

農業情報研究所(WAPIC)

09.2.14

 米価維持の方策を求め、タイのアロンカン副商務相が15日から3日間、ベトナムを訪問する。

 タイとベトナムは世界最大の米輸出国で、合わせて全体の半分以上、1500万トンほどの米を輸出している。昨年はトン当たり1000ドルを超えるまでに暴騰した米の世界市場価格は、今年は600−700ドルほどにとどまっている。タイ米とほとんど異なるところのないベトナム米の平均価格は400ドルほどだ。

 タイ商務省は適正価格は700ドルほどで、このレベルならば、両国の国内米価を比較的高く維持し、農民に利益をもたらすこともできると信じているということである。

 Thai minister, team to ask Vietnam to help stabilise rice prices,TNA,12.14
 http://enews.mcot.net/view.php?id=8594

 農民の支持を失わないように、タイ政府は米価維持に四苦八苦している。しかし、ベトナムの安売り攻勢で、懸命な米価支持政策も破綻の危機に瀕している。現在の輸出価格を維持するかぎり、ベトナムにシェアを奪われ、今年の輸出目標達成も危ぶまれる。

 創設で基本的合意ができたとサマック・スントラウェート前首相が発表しながら実現に向けた動きがまったく見られないメコン流域国米価格カルテル=米輸出国機構(OREC)の話を蒸し返そうとでもいうのだろうか。

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