農業情報研究所農業・農村・食料アジア・太平洋地域ニュース:2013年7月2日

タイ政府 米価切り下げはやめた 輸出目標は大風呂敷 どこかの政府・与党と似たり寄ったり

  朝令暮改とはまさにこのことだ。タイ政府が「米担保融資制度」における保証価格を引き下げると決めたのは先月18日のことだが(タイ政府 保証米価引き下げ 財政破綻を回避し、輸出競争力を取り戻す,13.6.20)、それから半月も立たない7月1日、国家米政策委員会 (NRPC) がこれはやめにした、9月15日まで、南部については11月30日まで、今まで通りトン当たり15000バーツを維持することに決めたという。

 同時に、商業省は米輸出をスピードアップ、今後3ヵ月で500万トンを輸出するという。ただ、米輸出協会会長は、政府間協定に拠るのでなければこんな輸出はとても無理、民間にはせいぜい月100万トン(現在は50万トンほど)の輸出能力しかないと言う。

 価格据え置きで激しく抗議する農民を懐柔する一方、輸出については大風呂敷を広げて見せる。この政府、もはや真っ当な政策形成能力を持たないようだ。

 もっとも、TPP参加に向かって驀進しながら、ただただ票集めのために「農業・農村所得倍増」の大風呂敷を広げるどこかの国の政府・与党と似たり寄ったり。ただし!どこかの国の政府はTPP参加を決して取り下げないだろうが、タイ政府は、明日にも、やっぱり価格は引き下げると言うかもしれない。

 Rice policy reversed to please farmers,Bangkok Post,13.7.1
 Rice flip-flop takes flak,Bangkok Post,13.7.1
 Rice export target 'out of reach',Bangkok Post,13.7.2
 
Cabinet approves B15,000 rice price reverse,Bangkok Post,13.7.2