農業情報研究所農業・農村・食料アジア・太平洋地域ニュース:2014年7月21日

豪サンライス社 今年二度目の米生産者価格引き上げ それでも日本の米は太刀打ちできない

  オーストラリア産米の加工・販売を一手に引き受けるサンライス(SunRice)社が生産者に対する支払価格を引き上げる。3月に続く今年二度目のことである。

 希少で高価な灌漑水に依存するオーストラリアの米生産は、他の灌漑作物との厳しい競争に直面している。その中で、生産者を米生産に繋ぎ止め、増産を促すためという。

 生産者に支払う価格は、中粒種では最低トン320ドル(1豪ドル=95円ほどとして3万円強)、短粒種、とくにコシヒカリでトン450ドル(4万3000円)にする。社の計算では、これにより、米生産は他の作物生産より有利になる。

 以前は80万トンほどだったサンライス社の米販売能力は、現在は95万トンにまで上がっている。市況は好調、生産者が一層多くの資源、特に水を米生産に振り向けるのを奨励するそうである。

 SunRice sweetens rice price to boost production,ABC,14.7.20

 引き上げられた短粒種生産者支払価格でも、日本の平均米生産費(平成24年産、トン26万6000円)はその6倍を超える。15f以上の最大規模層(トン19万円)でも4倍以上だ。日本の米では競争にならない。

 関連情報

  SunRice flags higher rice prices,ABC,14.3.10

 オーストラリアの米、過去最高の価格保証 干ばつが迫る米産地移動,06.10.9