農業情報研究所農業・農村・食料アジア・太平洋地域2014年12月22日

2013年農業所得・米生産費統計発表 見えない政府目標達成への道

 農水省が2013年の生産農業所得統計と米生産費統計を発表した。政府は2020年までの農業所得倍増と「15f以上の認定農業者」「稲作主体の組織法人」の米生産費4割削減(60sあたり9600円)を目指している(→農水省 米生産費減へ生きた農民・農業を忘れた画一的「担い手」像,14.11.18)。

 現状は下図のとおりである。所得に増加傾向は見えない。米価下落の当然の帰結だ。畜産生産額は前年比1212億円増えたが、米生産額は2479億円減った。15f以上層の米生産費は増えさえしている。農水省は今年、「認定農業者のいる経営体の生産費」を調査した。認定農業者のいる15f以上の経営の生産費は60`11374円で、認定農業者のいない15f以上経営の平均:11424円よりちょっと少ない。しかし、9600円にはほど遠い(農業経営統計調査 平成25年産 米生産費:統計表〔Excel:e-Stat〕)。育成すべき認定農業者の数にも、最近は減少傾向が見られる。政府目標達成に向けた前途は多難、道筋も見えない。