フランスの山地農業経営に関するいくつかのデータ 日本農業新聞の小文への補足

農業情報研究所農業・農村・食料欧州ドキュメント:16 年4月9日

  3月8日付の日本農業新聞に”フランス山地農業 「日本型」の経営モデルに”と題する小文を書かせていただいた。小文は、フランス西部で今年年初以来、スーパーのあまりの「買いたたき」に対する畜産農民の抗議の嵐が吹き荒れているが、酪農や養牛・養羊などの畜産に特化した山地地域においては、このような騒動はほとんど起きていない、それはなぜかと問うものだ。結論は、フランス山地農業は大規模化・専門化した平地の「生産性至上主義」的農業モデルと異なり、「節約」、経営内外の資源の最大限の「活用」、不足する所得を農産物の自家加工、直接販売、レストランや民宿など観光客受け入れなどの活動で確保する「補完」、原産地呼称等高品質保証公認マーク産品や有機産品等高価格産品の生産で特徴づけられ、それがグローバル化=スーパーの買いたたにも動じない農業を作り上げているからだ、というものであった。

 ただ、この小文では、肝心のフランス山地農業について詳しい説明はできなかった。そこで、ここに述べたフランス山地農業の特徴を表すデータをか掲げ、小論の補足をしておきたい。

 フランス山地農業経営に関するいくつかのデータ

 データ出所:L’agriculture en montagne - Évolutions 1988-2010 d’après les recensements agricoles - Agreste les Dossiers n° 26 - juillet 2015 - 11/09/2015