イギリス：生産補助金政策は持続不能ー政府委員会レポート
02.2.5
イギリス農業・食料政策はＢＳＥ、口蹄疫等による大混乱の中で厳しい批判に直面し、環境と食品安全を重視した根本的改革の道を探ってきた。昨年8月、ブレア首相は「農業と食料の将来の関する政策委員会」を立ち上げ、将来の政策のあり方を問うた。1月29日、その回答となる報告書（Farming & food-sustanable futre）が提出された。この報告書は農業生産から食料消費に至るまでの広範な領域における改革を勧告している。政府はこの報告に必ずしも拘束されず、今後独自の改善策を講じることになるが、この報告が一定の影響を与えることは間違いないであろうし、それは東方拡大を控え、早急な見直しが不可欠となっているEU共通農業政策（CAP）の改革、さらにはWTOの下での新たな農業貿易交渉の行方にもかかわる。
報告書は、従来の政策が安価な食料の供給に失敗し、農業所得を低迷させ、環境を悪化させたと批判し、そのような政策は持続できないといっている。補助金は環境政策や農村振興政策に振り向けねばならない。その他、有機農業の奨励、地方産品の地方での直接消費を奨励するための（こうした産品を扱う）小売業者への免税措置、食品表示の改善、農薬利用の削減、健康的な食生活の奨励などが提案されている。
環境保護団体・有機農業団体を始め、流通業者も含む多くの関係者が好意的反応を示している。また、ＥＵの農業・農村問題担当委員であるフランツ・フィシュラーも歓迎している。1999年のベルリン合意による財政制約により、大量の農民をかかえる東方諸国が加盟したとしても農業予算は増やせない。現在のままの形のＣＡＰを維持することは財政面からしても不可能であり、彼自身、かねて価格支持や生産補助から農村振興措置（加盟国との「共同ファイナンス」となる）への補助金のシフトを主張してきた。環境保護や食品安全がＥＵレベルの最重要課題となっていることはいうまでもない。
ただし、イギリス農民同盟（ＮＦＵ）だけは、補助金削減につながるこのような改革を拒絶している。
DEFRA News release
Policy
Commission publishes report on Future of Farming and Food 38/02,02.1.29
Minister
stresses need for CAP reform change 36/02,02.1.29
ＮＦＵ Press release
NFU'S
STRONG OPPOSITION TO NEW MODULATION PROPOSALS,02.1.29
Soil Association
Press release
Soil
Association welcomes groundbreaking report,02.1.29
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Report suggests fund to encourage green
farms,Independent,1.23