フランス農業会議所選挙確定結果 国家主義的極右が躍進

農業情報研究所(WAPIC)

07.2.7

 昨日、フランス農業会議所選挙の暫定結果について、主流派組合・FNSEA・JAが大勝、農民同盟が大敗し、躍進した極右グループにも抜かれたことを伝えた(フランス農業会議所選挙 農民同盟が大敗 生産性至上主義路線に拍車,07.2.6)。しかし、その後発表された確定結果によると、得票率60%を超えたとされていたFNSEA・JAの得票率は2001年の得票率・52.8%を僅かに上回る54.9%にとどまった。農民同盟は、昨日伝えたような第三位グループへの転落は辛うじて免れたとはいえ、19.6%で2001年の得票率を8%も下回った。他方、国家主義的極右政党・MPFに近いとされる”農村協調”は6%増え、18.7%を獲得した。他の左翼系グループ(共産党系とされる家族経営擁護運動=MODEF)は2001年にも2.9%しか得られなかったが、2.6%へとさらに後退した。

 La Confédération paysanne reste le deuxième syndicat agricole,Le Monde,2.7

 結局、目だった躍進をしたのは極右グループだけだ。現主流派も、反主流左派グループも、フランス農業・農村・農民を蹂躙してきたEUやWTO、グローバリゼーションには対抗できなかった、彼らでは現在の農業の閉塞状況は打開できない、そんな気分がフランス農民の間に”国家主義”を台頭させているのだろう。それでもEUやWTOに勝てない し、相変わらずFNSEA路線が続くだろうことも明らかだが・・・、フランス社会も、なにやら終末的様相を呈してきた。