農業情報研究所農業・農村・食料欧州ニュース:14年11月21日

農業教育は他の中等教育後教育よりも高い個人的・社会的報酬を生む アイルランド農業食料開発庁の研究

 アイルランド農業食料開発庁(Teagasc)の研究によると、農業教育は他の中等教育後教育よりも個人及び社会に高い収益(利潤)をもたらす。個人レベルの農業教育の投資収益率は8.8%だが、他の中等教育以後教育の収益率は5.8%にしかならない。農民の産出のタームでみた社会的報酬は、他の中等教育以後教育の社会への返礼の2倍から3倍にもなる。加工や輸出まで計算に入れると、収益率は24%にまで上がる。

 家族農業の1ヘクタール当たり収益は、農業教育を受けた農民の方が学校卒業後にそれ以上の教育を受けなかった者よりも50%ほどい。教育が農民の技術的効率を改善したからだという。研究者は、これは最も控えめな推計であると言っている。 

 Agricultural education gives most to society, Teagasc study finds,The Irish Times,14.11.21

 日本にも当てはまるかどうかは分からない。だが、高卒後、一流企業社員、あるいは役人・政治屋―高い報酬を目指して誰もかれも大学に進む現状をみると、何となく分かるような気がする。農業教育を受けて農業に従事する方が、個人的にも社会的にも、よほど有益ではなかろうかと思われる。少なくとも有害ではない。