農業情報研究所農業・農村・食料欧州ドイツ農民団体-ニュース:16年1月17日

ドイツ農民・環境団体 ”もうたくさんだ” 大規模化・輸出促進政策に反対するベルリン大集会 

 日曜日(16日)、ドイツ各地からベルリン・ポツダム広場に参集した数万の農民や環境運動家が農業政策に抗議する大集会を開き、ベルリン市街をデモ行進した。デモは”緑の週間”に合わせて毎年行われるが、今年の標語は”われわれはもうたくさん”というものだ。彼らによると農業は転機にある、ダンピング価格と低い動物福祉基準で輸出を増やすドイツ政府と産業的農業はドイツと世界中の農民を破壊してきた。 

 ドイツはフェア・トレードに集中する必要がある。政府は大規模農業の促進を止め、輸出に焦点を当てるのではなく品質改善を促さねばならない、スーパーは肉や乳製品の原産地を表示、遺伝子組み換え製品は禁止する必要があるというのが彼らの主張だ。デモ参加者はさらに、米国・EU間の間大西洋貿易投資協定(TTIP)とEU・カナダ間の包括的貿易・経済協定(Ceta)にも反対している。

 Thousands march in Berlin for a new approach to farming,Deutschw Welle,16.1.17

 TPPをテコに専ら大規模化と輸出拡大を目指す日本の”新時代”農政は、まさにドイツ農民の主張と正反対の方向に進む。これに正面から異を唱える勢力は皆無という悲しむべき現実。万全のTPP対の要求はこれを後押するだけである。