EU  酪農品の保証価格買入れ限度数量を倍増 生産割当廃止→価格下落に対処

農業情報研究所農業・農村・食料欧州ニュース:16年4月24日

 EUの欧州委員会が22日、例外的措置としてバターと脱脂粉乳の固定価格での公的買入れ量の上限を2倍―バターは5万トンから10万トン、脱脂粉乳は10万9000トンから21万8000トンーに引き上げた。1984年以来の牛乳生産割当を昨年4月に廃止して以来域内牛乳生産が急増、価格が大幅に低下したためだ。現在の厳しい市場の状況の中で新たな均衡を見出し、また公的介入メカニズムの有効性への信頼を維持するために、固定価格での買入れ限度数量を引き上げるのが妥当と判断したという。

 Dairy intervention ceilings doubled,European Commission.16.4.22

 生産・投資を自由な経営判断に委ねるための規制撤廃が早くも試練に曝されている。米減反を廃止するわが国の未来も見えるようだ。主食用米減産を補う飼料用米増産は、輸入トウモロコシとの価格差を埋める巨額の財政負担と米国からの貿易歪曲的補助金廃止の圧力で、いつか必ず行き詰まるだろう。