農業情報研究所農業・農村・食料欧州>ニュース:21年4月11 

 

フランスに季節外れの寒波 ぶどう、果樹、ナタネ・・・凍結で大損害

 

―フランスがワイン王国の座を明け渡す日も近い?―

 

今週、フランスの大部分の地域を季節外れの寒波が襲った。気温は氷点下7℃までさがったところもあり、ぶどうをはじめ果樹のつぼみや花が凍結、一部地域の収量は90%以上失われるだろうという。

 

 南西部のボルドーでさえアプリコット、ピーチ、ネクタリンなどの果樹が凍害に遭い、ちょうど開花期を迎えた採油用ナタネも痛めつけられ、シュガービートの苗も9割が植え替えを余儀なくされた。春の暖かさで成長が加速していただけに影響は一層厳しい。

 

 農相は、これはまったく例外的な状況で、損害は甚大、農業災害補償の上限―年6000万ユーロ―を超えて農家を支援すると宣言した。

 

 近年毎年のように襲う干ばつ、洪水、短い冬、夏の猛暑、早熟化、そしてこの寒波、恐らく気候変動の影響だろう。フランスが農業大国、ワイン王国の座を明け渡す日が近づいていることを予感させる。

 

 Late frost to wreak havoc on French wine production,FT.com.21.4.9

 Après un épisode extrême de gel, Jean Castex promet « des enveloppes exceptionnelles » pour aider les agriculteurs,Le Monde,21.4.10