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 オランダ チッソ汚染減らしで家畜数30%削減へ 

 

  オランダ政府がチッソ汚染を減らすために家畜の数を30%減らす計画を提案する。自然保護地域おけるチッソ過剰がEU法(硝酸塩指令)に違反しているというオランダ最高行政裁判所の判決を受けたものだ。

 

 財務・農業省は家畜の数を30%減らす提案を練りあげた。一部農民に“排出権”、さらには土地の国への販売を強制する。家畜が生み出す糞尿はアンモニアを放出、それが湖沼河川に流入、例えば表流水の酸素を奪う藻類の発生を促すことで自然ハビタットを損傷する。

 

 農業者団体はトラクターを繰り出して猛反対している。だが、オランダは小国ながら1億の牛、鶏、豚を飼うヨーロッパ最大の畜産国の一つをなす。環境へのチッソ蓄積による自然破壊をいつまでも許すわけにはいかない。いずれ抜本的なチッソ削減策を迫られるのは間違いないだろう。

 

Could forced farm buy-outs solve the nitrogen emissions crisis?,Dutch News,21.8.31

Netherlands proposes radical plans to cut livestock numbers by almost a third,The Guardian,21.9.9

 

 <関連情報>

日本の手本・オランダ農畜産の現実 環境へのチッ素蓄積で蝶も殺す 農業情報研究所 17.8.16