フランス国民の81% スーパーの低価格調達に抗議する農民デモを支持 オランド大統領も腰を上げる

農業情報研究所農業・農村・食料欧州フランス農民 スーパー ニュース:16年2月7日

  27日にル・パリジャン紙等が発表した世論調査によると、フランス人の81%がスーパーの低価格調達に抗議して年初以来続く農民デモを支持しているそうである。また、農民への超低価格支払に何の手も打てないル・フォール農相は「どちらかと言えば悪大臣」と答える人が大部分、「どちらかと言えば良い」は23%にすぎなかった(81 % des Français soutiennent les manifestations d’agriculteurs,Le Monde,16,2,27)。

 農民から安く買い入れボロ儲けするスーパーの横暴ぶりは、屠畜場に入るときの牛の屠体1㎏の値段:2.82ユーロ、屠畜場を出るとき値段:4.38ドルに対し、スーパーの店頭では6.39ドルになっているという事実ににも表れている(Agriculture : face à la grande distribution, Hollande veut « faire afficher le prix producteur »,Le Monde,16,2,27)。フランスの農産物価格は1960年代以来52%低下し、農民はもはや農業で生き残れない状況に追い込まれている(Les agriculteurs n'arrivent plus à vivre de leur production,Le Monde,16.2.27)。社会学者は、社会における農業者の地位を考え直せと言う(Repenser la place de l'agriculture dans la société,Le Monde,16,2,27

 かくては政権への国民の信頼も危ういと思ったか、オランド大統領は27日、この日開会した今年度の農業サロンの席上、とりわけ畜産農家に払われる価格を暴落させている大規模流通業者への圧力を強める必要がある、スーパーの横暴を止めるにはサルコジ大統領の下での規制緩和=経済近代化法(2008年)も見直さねばならないと言明した(François Hollande : la loi sur la grande distribution « doit être revue »,Agrisalon,15.2.17)。

 日本では「農政新時代」、サルコジか小泉か知らないが、全然逆の方向を向いている。