米国 連邦北極水域への商業的漁業拡大を禁止 気候変動を理由とする初の漁業規制

農業情報研究所(WAPIC)

09.8.25

 ロック米商務長官が8月20日、研究者が魚と北極の海洋環境に関する十分な情報を集めるまで商業的漁業の連邦北極海水域への拡大を禁止するプランを承認した。このプランは、今年2月、米国北太平洋漁業管理委員会が2月に勧告したものだ(→米国 最近溶けた北極海極北での漁業を禁止 漁業における初めての温暖化対応,09.2.7)。長官は、気候変動のための北極の氷の後退で北極水域における商業的漁業への関心が高まっているから、脆い生態系の全体的健全性を損なわない持続可能な漁業のために、このプランを支持すると言う。

 承認された”北極漁業管理計画”は、後にフェデラル・レジスターに発表される規則を通して実施される。漁業管理者は、北極タラ、コマイ、ズワイガニが地域における商業的漁業の当初のターゲットになりそうだとしてきた。計画は、太平洋鮭とオヒョウを除く連邦水域の魚と甲殻類のあらゆる将来の商業的漁業を管理する。北極海岸近くのアラスカ水域の鮭、ホワイトフィッシュ、甲殻類の漁業には影響を与えない。また、北極における生業的漁業や狩猟にも影響を与えないという。

 Secretary of Commerce Gary Locke Approves Fisheries Plan for Arctic,US Department of Commerce,09.8.20
 http://www.commerce.gov/NewsRoom/PressReleases_FactSheets/PROD01_008323