米国 1世紀前の犯罪・牛泥棒が完全復活 牛肉価格上昇に直接影響

農業情報研究所(WAPIC)

06.10.31

 1世紀前の米国で風靡した牛泥棒犯罪が完全復活、ますます隆盛を極めているらしい。テキサス及び南西部牛飼養者協会(TSCRA)に会員から報告されたテキサス、オクラホマ、ニューメキシコの2005年の家畜ー大部分は牛ー盗難被害額は620万ドル(約7億3000万円)で、2004年の400万ドルからさらに増えているという。これは牛肉のコスト上昇に直接かかわっている。過去3年から4年、牛肉価格は常に高止まりとなっている。価格高騰がさらなる牛泥棒を呼んでいるらしい。

 最もひどい15のケースでは、1頭あたり1300ドルの価値の5頭以上の牛が盗まれている。過去10年から20年、この種の事件は姿を消していたが、今や復活しつつあることは確かだという。

 Old cattle crime rears its head again,Cattle Network,10.29
  http://www.usatoday.com/news/nation/2006-10-29-cattle_x.htm

  近年、わが国でもサクランボ等高価な農産品の泥棒が流行っており、モラル低下は”美しい国”日本も米国と変わらないが、牛が盗まれたという話は余り聞かない。米国牛農家の経済的損害はともかく、これでは米国の牛のトレーサブリティー確立もおぼつかない。米国産牛肉を輸入することになった日本の消費者としては、盗まれた牛がどこへ行ったのかも気になる。あるいは、素性も知れぬこれらの牛の肉が輸出されているかもしれない。

 関連ニュース
 Why farm belt sees rising crime wave,Christian Science Monitor,10.12

 関連情報
 
健康志向が米国を狂わせる―アトキンス・ダイエットで牛泥棒横行,04.4.14