農業情報研究所農業・農村・食料北米>ニュース:2019127

  アイオワ州知事 全ての州所有ディーゼル新車はB20燃料を 大豆需要拡大策

米国第二の大豆生産州・アイオワ州のキム・レイノルズ知事(共和党)が乗用車・トラックから除雪プラウ、ロードグレーダーに至るすべての州所有ディーゼル新車はバイオディーゼル20%以上を含むディーゼル燃料(B20)を使うことができなければならないとする知事令に調印した。

トランプ大統領が仕掛けた貿易戦争で州農民は最大の大豆輸出先である中国市場を失った上に、石油燃料へのバイオ燃料混合義務を一部免除するトランプ政府の石油産業優遇策のために(トランプ政府 バイオ燃料政策の方向転換 農民票離反食い止め策  農業情報研究所19.10.8)、大量の大豆・ウモロコシを消費するエタノール・バイオディーゼルも激減した(アイオワ州では5工場が閉鎖に追い込まれたという)。

Reynolds: All new state diesel vehicles must be able to use at least 20% biodiesel,Des Moines register,19.12.3

大豆ディーゼル、従って大豆の需要増大を狙う知事令は、アイオワ農民を絶望の淵に追い込んだトランプ政府への不評を少しでも和らげようというのだろうか。アイオワ(コーンベルト)農民はそれほど窮しているということだ。ただ、低迷する大豆・トウモロコシ相場を反転に向かわせるほどの効果は期待できない。来年の大統領選に向けたトランプ応援策としても力不足だ。