フランス有機農業が急拡大 だが2012年までに3倍増の目標ははるかにかなた

農業情報研究所(WAPIC)

09.6.13

  ヨーロッパの有機農業最後進国・フランスの有機農業が急拡大を始めたようだ。

 有機農業への転換について09年5月25日時点でまとめたフランス農水省の6月12日付けの発表によると、2009年には、有機農業への転換を約束した面積が35%の大幅上昇を示した08年を上回る転換が進む。

 09年の転換中面積は6万3000fで08年の5倍になる。その半分は穀物等の大規模耕種農業だ。09年に転換を始める経営数は、過去2年の数を上回る。全体で、経営数では15%、面積では10%の増加である。

 09年の国とEUからの転換援助額は5800万€(約80億円)にのぼる。これは、08年の2.5倍、07年の5倍に相当する。5年間の転換過程で各生産者が受け取る転換援助は、年・ヘクタールあたり200€(約2万8000円)となる。

 Le plan pour le développement de l'agriculture biologique lancé par Michel Barnier porte ses fruits,Ministère de l’agriculture et de la pêche,6.12
 http://agriculture.gouv.fr/sections/presse/communiques/plan-pour-developpement

 ただ、このような急拡大にもかかかわらず、環境グルネルで承認された2012までに有機農地面積を3倍、利用農地面積(約2754万f)の6%に増やすという目標(フランス 農薬使用半減 公共食堂注文食材の20%は有機に GM作物商業栽培は凍結の方向,07.10.26)は、はるかに遠い。

 2008年末、1万3298の有機農業経営が有機農業を営む面積は58万3799fで、利用農地面積の2.12%にすぎなかった。6%=165万fの目標を達成するためには、あと4年の間に100万f(年25万f)以上の転換が必要になる。