フランス 農薬使用半減 公共食堂注文食材の20%は有機に GM作物商業栽培は凍結の方向

農業情報研究所(WAPIC)

07.10.26

 昨日、フランス環境グルネルで農薬使用の10年で半減が決まったと伝えたが(フランス 農薬使用を10年で半減 有機農地面積比率は2012年までに3倍増の6%に,07.10.25)、農業経営者連盟(FNSEA)の猛烈な巻き返しで、最終的には10年という期限が取り払われ、また使用削減には代替農薬が利用可能にならねばならないという条件が取り付けらたという。

 ただし、サルコジ大統領は、この削減は可能ならば10年以内に実施、代替物質整備も加速すると宣言、半減計画を1年以内に提案するようにバルニエ農相に要求した。また、最も危険な物質の緊急の禁止も約束した。

 他方、有機農業に関しては、利用総耕地面積中の有機面積の比率を現在の2%から2012年に6%、2020年には20%に増やすという当初案がそのまま認められた。また、公共食堂の有機食材注文割合を20%に引き上げる目標も承認され、市町村長への権限付与など、実施方法は法律で定められる。

 さらに、遺伝子組み換え(GM)作物の商業栽培の凍結ー実際には、EUレベルで現在栽培が承認されている唯一のGM作物であるMON810の利用の凍結ーという当初案も通る見通しがはっきりした(参照:フランス政府 GM作物商業栽培の”凍結”を準備 栽培統制強化立法の制定に向けて,07.9.21)。 少なくとも新法より設置されるバイテクに関する新たな”高等機関”による評価の結果が出るまでは、フランスでのGM作物栽培は凍結される。

 L'utilisation des pesticides devrait être réduite de 50 % en dix ans,Le Monde,10.25
 Sarkozy annonce un plan pour réduire de 50% en 10 ans l'usage des pesticides,AP via Yahoo! Actualités,10.25