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フランス有機農業躍進 若者の多くは倫理(動物福祉)を理由に有機食品を選ぶ 値段は気にしない

 

ドイツの昆虫保護法制定の動き(ドイツ 昆虫保護法制定へ グリホサート完全禁止、夜間照明制限などアクションプランも,19.2.18)に続き、これも日本人は夢のようなヨーロッパの話。

フランスの有機農業(l'Agriculture Biologique)開発・促進機関=l'Agence bioが発表する年次消費バロメーターによると、1824歳の若者世代の有機産品選好理由が他の世代に比べて際立って特徴的である。年長者では健康、環境、好みを理由に有機産品を選び人が多いが、若者が有機産品を選ぶ最大の理由は倫理的もの―動物福祉の改善―だという。有機産品を購入する他の世代では動物福祉を購入の動機とする人は28%だが、若い世代では32%が<倫理的、社会的>理由で有機産品を購入している(年長者ではこの比率は25%)。

 他方、価格に関しては、1824歳の若者の47%が有機食品に高い金を払うのは<正常>(normal)と考えている(異常と考えるのは45%)、他世代では49%が有機食品に高い金を払うのは<異常>と考えている。これを異常と思う人は年齢とともに増え、5064歳では62%にもなるという。

Les très jeunes passent au bio plus par éthique que leurs aînés(AFP),Agrisalon,19.2.21

20181年間に有機農業に転換したフラン農業経営数は6200と記録的に多かったが、こういう動きを支えているのは、どうやら若者世代ということらしい。転換の理由には経済的反省(大量の鶏のケージ飼育のような工場養鶏の時代は終わりが近い)*と並び、<哲学的反省>もあるという。

Record de conversions des agriculteurs en bio en 2018,Le Monde,19.2.21

*10万羽養鶏のような有機養鶏自体の”工業化”の動きもあることにも注意を要する。