米国投資家 スーダン南部でさらに40万fの借地を目指す

農業情報研究所(WAPIC)

09.3.16

  今年1月、軍閥を介してスーダン南部の40万fの土地の借地権を取得した米国のジャーチ・キャピタルが(参照:米投資家 スーダン軍閥を通して40万fの食料・燃料作物用地を確保,09.1.12)、今年年末までにさらに40万fの土地の借地権を獲得しようとしている。15日のスーダン・トリビューン紙へのメールで同社が明らかにしたという。

 New York investment firm mulling more land leases in S. Sudan,Sudan Tribune,4.16
 http://www.sudantribune.com/spip.php?article30891

 1月の発表以来、同社は世界中から農地を買わないか、借りないかというオファーを受けた。しかし、同社はフロンティアのアフリカ諸国に焦点を当て、農地や天然資源を獲得する機会を求めている。今年末までに、さらに少なくとも40万fを借地できるように希望しているという。

 南部スーダン法は、大規模な借地には二つの地方政府機関の承認が必要だということである。とはいえ、これらの土地は、 定住農民と遊牧民の生業の場である。とりわけ家畜の移動季には、飲み水、緑の草地、魚を取る池、野生動物の狩猟へのアクセスなど、資源管理をめぐる紛争が起きやすい。地方コミュニティーの伝統的な慣習法が漁労、狩猟、耕作などへのアクセスを調整してきた。

 ところが、外国投資家の借地を承認することは、政府機関がこうした慣習法に基づく権利を一方的に剥奪することを意味する。世界最悪のダルフール紛争の二の舞が目に見える。これは、スーダン政府はもとより、米国政府も収拾できない。

 他のアフリカ諸国でも、事情は似たようなものだ。そこに、食料とバイオ燃料のための農地を求めて、世界中の投資家が殺到する。食料とバイオ燃料は、血を血で洗う土地紛争をアフリカ中に広げるのだろうか。

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