農業情報研究所農業・農村・食料海外農業投資ニュース:10年8月26日

ブラジル 外国人の土地購入制限を強化 外国企業・投資家によるランドグラブに歯止め?

 ブラジル政府が外国人による自由な土地購入に対する制限を強化した。政府は、ブラジルに本拠を置く企業を設立することで既存の制限をかいくぐる抜け道を塞ぐことを決定したという。

 外国企業は、ブラジルの子会社を通じて行動する場合でさえ、全体で250ヘクタールから5000ヘクタールまで(地域によって異なる)の50のユニット以上は購入できない。これは既存の所有地まではさかのぼって適用されない。

 これは1971年法の新たな解釈であり、この解釈ではまた、外国人による土地購入は登記所で登記され、土地開発省に通知されねばならない。これは、即刻、拘束力を持つ。

 ここ数年、サトウキビエタノール部門への進出を狙う巨大多国籍企業や日本、アルゼンチン、韓国、米国などの投資家、企業が、農地を求めてブラジルに殺到してきた。最近は中国の企業グループ(中国の重慶穀物グループ)も、ブラジル北西部で大豆を生産するための10万ヘクタールの農地を取得する計画と発表しいる。

 ただ、今年6月、国の土地が外国人の手に落ちることへの懸念をルラ大統領が表明して以来、投資家の間には高まる外国人嫌いへの懸念も広がっているということだ。

 RPT-Brazil curtails land sales to foreigners,Reuters,10.8.24
 http://www.reuters.com/article/idUSN2425631120100824