農業情報研究所農業・農村・食料海外農業投資ニュース:2011年4月16日

 “グローバルな土地収奪”が小規模農民をますます危険にさらしている

 以下は、先週(4月6−8日)イギリスで開かれた”グローバル・ランド・グラビング”に関する国際会議について伝えるガーディアン紙の記事の部分訳でである。

  Small-scale farmers increasingly at risk from 'global land grabbing',The Guardian,11.4.15
 http://www.guardian.co.uk/global-development/poverty-matters/2011/apr/15/risks-over-increasing-global-land-deals

 投資は農業に緊要だが、長期的借地契約へのラッシュは多くのリスクと大きな社会・環境コストを伴うドラマチックなやり方である。

 グローバルな農地ラッシュに関する新たな研究は、土地取引がローカルな土地保有権を無視しているが故に、小規模農民のリスクがますます大きくなっていることを示している。

 Land Deal Politics Initiativeが招集し、/Future Agricultures Consortiumが主催した先週のinternational conference on "global land grabbing"(“グローバルな土地収奪”に関する国際会議)で、アフリカ、アジア、ラテン・アメリカ、旧ソ連からの最新の証拠が提出された。この会議で、研究者は、以前の推定の2倍にもなる8000万ヘクタールにのぼる土地取引の証拠書類を明fらかにした。

 土地取得へのラッシュは、食料価格高騰と信頼できない市場、エネルギー危機とアグロエネルギー/バイオ燃料への関心、グローバル金融危機、炭素取引の新市場という四つの要因に駆り立てられたものである。これら取引の支持者は、これは競争的であり、労働を節約し、貧しい消費者にとっても十分に安い輸出向け食料を生産すると主張する。しかし、カンボジアからカメルーン、そしてコロンビアにまでいたる研究は、このような取引の社会・環境コストが滅多に考慮されていないことを示す。

 食料への権利に関する国連報告官、オリヴイエ・ドゥ・シュッテルは会議の冒頭、「世界の貧しい農村の大部分がなお依存している小規模家族農業は、大規模プランテーション、輸出農業、食料ではない・商品の生産によって脅かされている」と述べた。・・・・・・

 カリフォルニア大学バークレー校のTeo Ballvéは、土地収奪は、小農民や遊牧民を侵す“暴力沙汰の長い連鎖の最後のステップ”だ、土地の商品化と民有化、農民と牧畜民の追い立ては、企業の会議室や政府とのハイレベル会合では、滅多に考慮されることがない、と言う。

 ・・・・・・