農業情報研究所>農業・農村・食料>海外農業投資・ランドグラビング>ニュース:2015年5月12日
アジア最大のタイ糖業会社 カンボジア事業から撤退 土地収奪の乱暴狼藉を批判され
コカ・コーラの主要調達先でもあるアジア最大級の砂糖メーカー、タイのミトポン・シュガー社がカンボジア・ウドンメンチェイ州の三つのプランテーションを放棄する。開発監視団体は長年、同社が政府から使用権(利権)を譲与された土地における違法行為と人権侵害を批判してきた。コカ・コーラ社は2013年にランドグラビング(土地略奪)ゼロを約束、昨年はアンコール・シュガーなどミトポンの関連企業3社がウドンメンチェイに持つおよそ2万㌶の譲与地の監査を行った。撤退はその直接の結果ということのようだ。カンボジアのNGO、Equitable Cambodiaが10日、”ミトポンが撤退を決めた”、”合法的土地所有者は追い立てられてきたが、彼らは補償を受け、土地を返還されねばならない”と述べたという。
アンコール・シュガーのプランテーションの影響を受けた200家族の弁護士で、2009年にコミュニティの強制退去に抗議して投獄されたこともあるホイ・マイによると、ミトポンは先月三つの譲与地から引き上げたが、土地はなお犠牲者に返されておらず、犠牲者は軍に渡されたのだろうと言っている。
村人は今週、三つの土地譲与の即時正式取り消しと失われた所得の包括的評価、修復計画、8000㌶の共同体林の再建を要求したという。
Sugar
company pulls out,Phnom
Penh Post,15.5.11
マクドナルドは使用期限切れ食材や異物混入の問題で失われた信頼を回復するために、「ママ目線」での衛生管理に取り組むそうである。しかし、ママたちの目線、食品ビジネスの地球規模でのこのような乱暴狼藉に向くだろうか。ママたちに何よりも願うのは、傾いたファスト・フードを助け起こすという意義不明な役割に甘んじることなく、こういう乱暴狼藉、資源(土地、水)の大量の消費の上の成り立つ「持続不能な」現在の食のあり方を見直すことだ。そうでなければ、いずれビジネス自体、マクドナルドも持続不能になるだろう。
例えばコカ・コーラは先月、地下水を枯渇に追い込み、河川の水を汚すとという地方農民・住民の猛反対で、インド南部タミル・ナードゥ州での工場建設の断念に追い込まれた。米国の環境グループ、Ceresの最新リポートは、世界中で水がますます希少化し・水汚染が進むなか、世界的巨大食品・飲料企業―ユニリーバ、コカ・コーラ、ネスレ、ペプシコ、ジェネラル・ミルズ、ケロッグなど―による水の大量消費は、既にこれらビジネス自体の収益性と長期的な食品・飲料水安全保障を脅かし始めていると警告している。まさに、食い改めよ、飲み改めよである。
TN cancels land allotment for Coca Cola plant,The Hindu-Business Line,15.4.21
Food companies are unprepared for global water scarcity, says new report,Ceres,15.5.7
Squeeze on water hits global food and drink groups,FT.com,15.5.7,Financial Times,15.5.8,p.17