英国:汚染土壌に狂牛病感染源の疑いー飼料規制強化後に出生の牛が発病して

農業情報研究所(WAPIC)

01.09.14

 今年に入り、英国では、すべての家畜の飼料に哺乳動物の肉骨粉を使用することを禁じた1996年8月以後に生まれた牛6頭に狂牛病感染が確認され、肉骨粉以外の感染源として家畜排泄物で汚染された牧場の土壌が疑われている。

 従来、狂牛病の主要な感染源は、感染した牛や羊の肉骨粉を含む飼料とされてきた。その使用は禁止されている。若干の子牛は狂牛病に罹った母親の子宮内で罹患したとされてきたが、今回の6頭の母牛は罹患していない。9月13日付けの英国「ガーディアン」は、禁止飼料が不法に使用された可能性は否定できないが、研究者は、未だ確認できないものの、第三の感染源として環境、すなわちプリオンに汚染された土壌に着目していると報じている(Infected fields could spread BSE,scientists say,The Guardian,01.9.13)。

 それが主要な感染源ではなさそうだというのは救いであるが、それが確認されれば、感染確認数が激減し(ピークは1992年の3万6680頭で、2000年には1311頭、今年は9月7日現在で448頭-DEFRA BSE information)、近い将来の狂牛病絶滅という希望は打ち砕かれることになる。研究者は、数は少なくなるとはいえ、狂牛病は「風土病」として定着し、それとの闘いが永続化することを恐れている。

 なお、今年4月には、フランスでも同様な例が初めて生じ、「牛の死体から抽出された脂肪を含むミルク代用品」か、それとは別の第三の感染源の追究が始まっている(フランス:1997年生まれの牛に狂牛病確認、感染ルート闇に,01.4.9)

関連情報
Probe into BSE pasture link,Farmers Weekly Interactive,01.9.13

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