EU:農相理事会、動物副産物規則を採択

農業情報研究所(WAPIC)

2001.11.25

 11月20日、EU農相理事会は、欧州委員会が提案していた動物副産物に関する規則に対して共通の立場を採択した。

 この規則の基本的眼目は死んだ動物や使用不適とされた動物性物質を動物飼料にリサイクルすることを禁じることにある。「キャニバリズム」(共食い、健康な豚を豚に与えること、健康な鶏を鶏に与えること)は禁止される。人間により消費されない屠殺された動物の部位(動物副産物)は、人間の消費に適するとされた動物由来のもの(第3カテゴリー)だけが農用動物飼料としても使用できる。

 狂牛病(BSE)またはスクレイピーに汚染された動物副産物、あるいは成長促進のためのホルモンのような禁止物質またはダイオキシン・PCBなどの環境汚染物質が残留する動物副産物(第1カテゴリー)は、廃棄物として、焼却あるいは適切な熱処理後の埋立により完全に処分されねばならない。その他の動物病に汚染されたリスクのある動物の副産物(農場で死んだ、あるいは病気のコントロールのために農場で殺された動物)、あるいは獣医薬の残留のリスクのある動物の副産物(第2カテゴリー)は、適切な熱処理の後に動物飼料以外の用途にのみリサイクルできる。なお、厩肥以外の有機肥料・土壌改良材の牧草地への散布は「禁止」される。

 これら三つのタイプの動物副産物は、収集・輸送・貯蔵・加工のすべての流れが分離されねばならずない。

 欧州委員会によれば、この規則の採択により、EUにおいて年間1600万トンにのぼる人間消費に不適な動物副産物が安全な方法で加工されることになる。現在の肉骨紛による農用家畜の使用禁止を解除する予定はまったくないが、それが再び許可された場合には、この規則が肉骨紛生産のための安全ルールを提供することになる。

 この規則の最終的な採択のためには、なお欧州議会の承認が必要であるし、バーン消費者保護・食品安全担当委員によれば、発効までにはしばらくかかる。

 関連情報
 EU:反芻動物由来の有機肥料の安全性に関する科学運営委員会の意見,01.11.1

 

 

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