農業情報研究所


イギリス:科学者、検査は不完全、輸入牛肉製品の安全性に警告

農業情報研究所(WAPIC)

02.5.16

 Guardian紙が報じるところによると、政府のBSE科学アドバイザーの一人であるロイ・アンダーソンが輸入牛肉パテ・ソーセージ・ミートパイに対するコントロールを一層強化すべきだと警告した。

 彼によれば、イギリス以外のEU諸国のBSE対応措置は、牛のBSE検査が必ずしも感染動物を発見できないから、消費者の安全性感覚を間違わせる恐れがある。イギリスではほとんどの30ヵ月以上の牛が食料チェーンに入るのを禁止されているが、これは検査よりもはるかに優れた安全対策である。他のEU諸国では、検査でシロならば高齢牛を食料とすることが許されている。これらの肉が枝肉の形ではイギリスで販売されることはないが、加工品としてならイギリス市場に入りうる。食品基準庁(FSA)は、これらの製品が消費者のリスクを高めることを認め、法律はその表示を義務づけていないとはいえ、原産国を確認するように勧告してきた。

 彼は、現在の検査は潜伏期の最後の数カ月になってしか感染を発見できないが、肉はそれよりずっと前から安全ではないのだから、「人々は『それは検査されたから安全だ』と騙されうる」という。

 FSAは30ヵ月以上の牛の食用販売禁止のルールの変更を勧告すべきかどうか検討中である。

 BSE adviser urges beef import curbs,,Guardian Unlimited,5.15

 関連情報
 
イギリス:食品基準庁、30ヵ月以上ルール見直しへ,02.5.9

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