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UCSF研究チーム、高感度の狂牛病検査法を開発と発表

農業情報研究所(WAPIC)

02.10.28

 「ネイチャー・バイオテクノロジー」誌の公刊に先立つオンライン・バージョンで、カリフォルニア大学サンフランシスコ校(UCSF)の研究チームが狂牛病や羊のスクレイピー、鹿の慢性消耗病などの病源体関連物質である異常プリオンの高感度の検査法を開発したと報告している(Jiri G. Safar et al,Measuring prions causing bovine spongiform encephalopathy or chronic wasting disease by immunoassays and transgenic mice,02.10.20)。新たな免疫学的検定法によれば、正確な結果がを6時間ほどで得られるという。この検査が実際に有効であれば、異常プリオンの人間への伝達の予防に役立つかもしれない。

 新たな検査は異常プリオンに対する高度の感染性をもつ遺伝子操作マウスの系統に準拠し、プルシナー研究所が特別に開発した蛍光性抗体の標的とされた感染組織の異常プリオンが自ら発光する。今までの実験では、病牛の組織と正常な牛の組織のサンプルを100%正確に確認することが証明されたという。

 研究チームは、この検査の早期のバージョンの結果を4年前に発表したが、現在、自動化され、改良された検定法は、生きた感染牛、死んだ感染牛の両方からの数千の組織のサンプルを使うヨーロッパでのフィールド実験で評価中という。研究者によれば、この検査はクロイツフェルト・ヤコブ病の早期発見にも適用できるし、検査の原理はU型糖尿病やアルツハイマーなどの検査の開発にも役立つであろうと言っている。