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イタリアで初の変異型ヤコブ病死者、ニュージーランドでも感染の疑い

農業情報研究所(WAPIC)

03.8.9

 8月7日、イタリア・シシリーの27歳の女性が変異型クロイツフェルト・ヤコブ病(vCJD)で死亡したと発表された。2002年2月にvCJDと診断されたが、どこで、どのようにして感染したかは分っていない。vCJDは、今までのところBSE(狂牛病)の牛を食べることで感染するとされている(その他にも医療行為を通じての人から人への感染、BSEの牛からくる病源体を含む化粧品・薬品等様々製品の消費による感染の可能性も指摘されている)。イタリアでは、2001年に2歳以上の屠殺牛のすべて検査が義務付けられていらい、今までに104のBSEのケースが発見されている。

 ショッキングなことに、7日には、ニュージーランドのウエリントンの北、ハミルトンの病院で26歳の男性にvCJDが疑われると発表された。最終的診断には数週間かかるという。ニュージーランドではBSEの牛は一頭も発見されていない。1996年に禁止される以前、イギリスから輸入された食品が感染源と疑われている。しかし、エコノミストは、BSE騒動によりニュージーランドの輸出を大きく減少さえ、国内総生産(GDP)を5%以上押し下げる可能性があると推定している。

 イギリスのvCJAによる死者は8月4日現在で133人となり、vCJDと疑われる生存者が6人いる。計139人が感染した可能性があることになる。vCJDによる英国の死者は2000年の28人をピークに、2001年20人、2002年17人と減少傾向を辿ったが、今年は今までに12人に達した。減少傾向はストップする可能性がある。

 参照:英国における新変異型クロイツフェルト・ヤコブ病(vCJD)患者数(2003.8.4現在)