フランス:共和国裁判所、vCJD犠牲者家族が提訴した歴代農相の調査へ

農業情報研究所(WAPIC)

03.10.29

 AFPが伝えるところによると、フランス共和国裁判所(CJR)の予審委員会が、BSEに罹った牛から伝達するされる新変異型クロイツフェルト・ヤコブ病(vCJD)の5人の犠牲者の家族が訴えた旧農業大臣の調査を開始する。1月に「過失致死」罪の疑いで提訴されたのは、1988年から1997年までの間に農業大臣を努めたアンリ・ナレからフィリップ・ヴァスールにいたる4人の歴代大臣である。

 提訴以来、その受理性について意見を与えるために組織されたCJRの審理委員会で検討されてきたが、28日になり、この委員会が今月23日に受理性を認める意見を出し、それを破毀院検事長に送ったことがわかった。検事長は、大臣の職務執行中に起きた事実について提訴し、判決を下す権限をもつ唯一の機関であるCJR予審委員会にこれを付託したという。

 犠牲者家族は、とりわけ人間への伝達性が疑われてきたにもかかわらず、4大臣が1996年春(イギリス政府が初めてBSEとvCJDの関連性を認めた)まで特定危険部位の全面禁止をしなかったことを問題にしている。BSEとvCJDの関連については、科学的には未だに確認されているとはいえず、司法の判断の結果だけでなく、審理の過程も注目される。

農業情報研究所(WAPIC)

グローバリゼーション 食品安全 遺伝子組み換え 狂牛病 農業・農村・食料 環境