アイルランド、vCJD2例目を確認、初の国内感染

農業情報研究所(WAPIC)

04.11.11

 先月、アイルランドで2例目のvCJD発生の疑いが出たと伝えたが(アイルランド、20歳男性にvCJD2例目の疑い,04.10.25)、昨日、検査を続けてきたダブリンの病院の報道員が、正式にvCJDと確認したことを発表した。

 アイルランドの牛を食べることで感染したと見られる最初のケースとなる。第一例目の女性は、英国在住中に感染したとされてきた。当局は、vCJDの潜伏期間からして10-15年前に感染したと見られる、96-7年以来の感染防止策の強化により、現在は感染リスクはほとんどないと不安の沈静を図っている。

 アイルランドでは、01年1月から30ヵ月以上の屠畜牛の全頭検査を導入している。EU規則に従い、24ヵ月以上の死亡牛等高リスク牛の全頭検査も導入した。このような検査の導入により、BSE発見件数は急増(以前は見逃されたいたものが多いことを示す)、02年293件のピークに達したが、97年以来の肉骨粉全面禁止が効いたのか、03年には161件、今年は今までに110件と減少傾向にある。しかし、肉骨粉全面禁止以後に生まれた牛の感染も見つかっており、BSE根絶には時間がかかりそうだ。