スウェーデン 初の狂牛病確認 乳熱で殺処分された12歳の牛

農業情報研究所(WAPIC)

06.3.4

 EUが3月3日、スウェーデン最初の狂牛病(BSE)のケースが英国・ウエイブリッジの共同体基準試験所(CRL)による検査で確認されたと発表した。

 European Commission,Midday Express of 2006-03-03(BSE confirmed in a cow in Sweden)

  この牛は乳熱(産前産後起立不能症)のために殺処分された12歳のcowで、すべての死亡家畜(死んだか、病気でと殺された家畜)はBSE検査をしなければならないというEU規則に従って、レンダリング工場で検査された。最初の検査でBSE陽性の結果が出たために、スウェーデン当局はCRLにさらなる検討を要請した。その結果、BSEと確認された。

 この結果を受け、欧州委員会は、EU諸国のなかでスウェーデンだけが免除されてきた人間消費のための[30ヵ月齢以上の]すべての牛の検査を義務付けを考えているという。スウェーデンはEU諸国のなかで唯一、地理的BSEリスク(GBR)レベルが低い(レベルU)とされてきた国である。そのために、他のすべての加盟国に義務付けられた人間消費用の健康な牛の検査を免れ、代わりに毎年10万頭の健康なと殺牛の無作為抽出検査を行ってきた。

 なお、BSEにかかわるEUの義務的動物保健措置は、スウェーデンにもすべて摘要されてきた。感染源調査は進行中というが、これは12年前、1994年の飼料にまで遡らねばならない。欧州食品安全機関(EFSA)のGBR評価では、1900年までは反芻動物肉骨粉を牛に与えることは合法であり、1991年には禁止されたが、順守がどう統制されたか不明確なために、1980−95年の給餌は”不合格(not OK)とされている。また、1995年にはこの禁止が哺乳動物肉骨粉に拡張されたが、動物蛋白質のサンプリングと分析が始まったのは1997年で、交叉汚染の可能性は残った。事実、1997年以来のサンプリングと分析は交差汚染の存在を確認している。2001年1月からはこの禁止がすべての農場動物に拡張されたが、6月までに交叉汚染の例が1件発見された。”合格”とみなされるのは、飼料の顕微鏡検査が状況の大きな改善を示した2001年7月以降という。

 特定危険部位(SRM)の飼料からの排除についても、2000年10月の義務化以降のみ”合格”とされている。

http://www.efsa.eu.int/science/tse_assessments/gbr_assessments/572/sr07_biohaz02_sweden_report_v2_en1.pdf 

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 スウェーデン 初の狂牛病発生の疑い,06.3.1