英国政府 14ヵ国に輸出血液製品によるvCJD感染リスクを警告ーガーディアン紙

農業情報研究所(WAPIC)

06.5.2

 英国・ガーディアン紙によると、英国政府は、英国の血液製品が外国に販売されたために狂牛病(BSE)の人間版とされる変異型クロイツフェルト・ヤコブ病(vCJD)を発症する危険があると14ヵ国に警告することを余儀なくされた。情報公開法に基づき公開された文書によると、潜伏期間が長いために、どれほどの外国人が発症するかを知るに時期尚早だが、ブラジルとトルコのリスクが最も高いとされている。トルコ当局はリスクのある者を追跡、監視をしているが、ブラジルからのコメントはないという。

 British blood products may pose vCJD risk in 14 countries
 http://www.guardian.co.uk/bse/article/0,,1765530,00.html

 ブルンジ、UAE、インド、ヨルダン、オマーン、シンガポールのリスクはブラジル、トルコほどではないが、予防措置が必要とし、危険度のより少ない製品を輸入したベルギー、モロッコ、エジプト、フランス、オランダ、イスラエルには、血液製品製造はそれぞれの国で完了するから、自身で評価を行うように勧告している。フランス政府は10ヵ国(国名は明らかにせず)に再輸出した製品に危険はないと結論したという。

 ガーディアン紙は以前、世界中の人々がvCJDに暴露されてきた恐れがあると報告したが、輸出相手国、輸出量、リスク評価の詳細が明らかにされたのは初めてだ。しかし、英国政府は、どれだけの外国人が危険に曝されているのかは言えないという。

  しかし、危険があるのはこれら国民だけではない。これらの国で輸血を受けたことのある他の国民にも危険は及ぶ。グローバリゼーションの時代、すべての国での調査が必要ではないのか。

 関連情報
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