オランダで二人目のvCJD死者 なお二人に疑い

農業情報研究所(WAPIC)

06.11.17

 オランダで二人目となる変異型クロイツフェルト・ヤコブ病(vCJD)死者が報告された。ロッテルダムCJセンターによると、ほかにも二人vCJDを疑われる患者がいるという。患者はすべて1990年代に英国からの輸入肉で感染したと見られている。

 Media report second-ever Dutch Creutzfeld-Jacob fatality,Radio Netherlands,11.17

 なおオランダでは、1997年以来、今年10月30日までに82件のBSEが報告されている。

 世界のvCJD患者数は、英国:162人(9月1日まで)、フランス:21人(1)(10月30日まで)、アイルランド:4人(2)、オランダ:2人、米国:2人(2)、ポルトガル・スペイン・イタリア・カナダ(1)・日本 (1)・サウジアラビア:各1人の計197人となっている。( )内は英国で感染したと見られている患者の数である。これらのうち、英国で6人、フランスで2人が現在生存している。

 英国の死者は2000年の28人をピークに減少傾向が持続、2004年は9人、2005年は5人、2006年は3人にまで減っているが、フランスでは2005年に6人、2006年に5人と、なお減少傾向は見られ ず、2005年、2006年は英国を上回ってしまった。オランダで最初の1人が確認されたのも2005年で、英国での発生傾向との間にズレがある。その理由が何であるはわからないが、国内におけるBSE発生時期の差にあるとすると、専ら英国からの輸入肉による感染なのかどうか疑わしくなる (オランダは97年のBSE初発を見るまで、特定危険部位除去の規制は輸入肉に適用するだけで、国産牛肉には適用していなかった 。日本はそういう国から輸入していた獣脂を代用乳に使っていた)。

 関連情報
 オランダで初のvCJD確認,05.4.23