英国 輸血を通してのvCJD感染4例目を確認

農業情報研究所(WAPIC)

07.1.23

 英国健康保護局(HPA)が1月18日、輸血に関連した変異型クロイツフェルト・ヤコブ病(vCJD)の新たなケースが最近確認されたと発表した。

  HPA Press Statement:4th case of variant CJD infection associated with blood transfusion,07.1.18
  http://www.hpa.org.uk/hpa/news/articles/press_releases/2007/070118_vCJD.htm

  これで輸血を通して感染したvCJD患者は4人となった。ここで”輸血”というのは、赤血球、血小板、生鮮冷凍血漿などの不安定な血液成分の注入を意味する。この患者も、以前の3人の患者も血漿製品による治療とは無関係だった。今までのところ、血漿製品治療に関連したvCJD患者は出ていないという。

 この最新の患者は、供血後にvCJDと診断された供血者からの血液を受け取ってから9年後にvCJDと診断された。輸血により感染したとされる以前のvCJD患者の一人も、同じ供血者からの血液を受け取っていた。新患者はなお生存、特別なケアを受けており、CJDサーベイランス・ユニットの定義する”多分”vCJDのケースに分類される。

 供血後にvCJDと診断された18人の供血者からの血液を輸血された(と知らされた)人は66人いるが、この最新の患者は、これら66人の中でなお生存している26人のうちの一人という。これらの人々は、もはやvCJDを避けられないないのではないかと不安を高めることになりそうだ。

 HPA感染センター長のPeter Borriello教授は、「vCJD感染のこの新たなケースは、供血時にはそうとは知ることなくvCJDに間違いなく感染していた供血者からの血液を受け取った少数者グループに対するリスクをめぐる我々の懸念を高める。・・・血液によるvCJD感染伝達のリスクを軽減するために既に取られた予防措置の重要性を一層説得力あるものにする」と言う。

 しかし、そう言ったところで、当事者には何の救いにもならない。

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 vCJD感染者の血液を受け取った人々に高リスク 感染の早期発見には扁桃検査が有効ー英国の新研究,06.12.18