韓国政府・与党 米国産牛肉輸入条件再交渉も 日米交渉の結果を見て

農業情報研究所(WAPIC)

08.5.5

 狂牛病(BSE)にかかわる米国産牛肉の輸入条件緩和(韓米牛肉貿易交渉 月齢制限残るも、韓国は安全軽視の大冒険 脳、精髄も禁止解く)に対する韓国国民の不安が高まっている。インターネットを通じた李明博大統領弾劾署名も100万人を超えた。 先週末、およそ1万人がソウル中心部で徹夜の座り込み、政府の輸入条件緩和の決定に抗議した。

 これを受け、政府・与党は米国食肉処理場の監視や違反があった場合に取る措置を強化するとともに、「現在進行中の米国と日本、米国と台湾間の牛肉輸入交渉を見守り、韓国に不利な条項、抜け落ちた条項がある場合には追加交渉を求める方針を固めた」そうである。

 日本政府がいい加減な妥協に応じると、類は韓国国民にも及ぶことになりそうだ。

 日米牛肉輸入交渉に応じ追加協議要求、政府与党方針 聨合ニュース 5.5
 http://japanese.yonhapnews.co.kr/Politics2/2008/05/05/0900000000AJP20080505000300882.HTML

  他方、米国農務省食品安全検査局のリチャード・レイモンド次官は4日、日曜日にもかかわらず緊急声明を発表、米国牛肉の安全性を改めて強調するとともに、「米政府は現行の協定が韓国消費者の健康と食品安全に対する懸念にきちんと対処しているものと信じている」と述べた。

 STATEMENT OF DR. RICHARD RAYMOND USDA UNDERSECRETARY FOR FOOD SAFETY Regarding the Safety of the U.S. Food Supply,08.5.4
  http://www.fsis.usda.gov/PDF/Raymond_Statement_050408.pdf

 米農務省が緊急記者会見、牛肉の安全性を強調 聨合ニュース 5.5
 http://japanese.yonhapnews.co.kr/economy/2008/05/05/0500000000AJP20080505000400882.HTML

 なお、警察は先週末の座り込みを受け、日没後に屋外でさらに抗議行動を行うことを禁止したということだ。

 Police ban candlelight vigil against U.S. beef imports,Yonhap,5.4 
 http://english.yonhapnews.co.kr/national/2008/05/04/99/0302000000AEN20080504002300315F.HTML