米国2社 BSE特定危険部位を含む恐れのある牛の生の頭を回収中

農業情報研究所(WAPIC)

08.6.27

 米国農務省食品安全検査局(FSIS)が6月26日、二つの食肉加工会社が狂牛病(BSE)特定危険部位(SRM)を含む恐れのある生の牛の頭を回収していると発表した。

 一つは 、テキサス州・フォートワース でフロンティア・ミーツの名で操業するベルテックス社、約2850ポンドを回収している。回収対象製品は07年5月31日から08年6月24日の間にパックされたすべての製品で、ダラス・フォートワースの小売施設やランチカートに配達された。問題は、テキサス州の役人が小売施設での日常的検査で発見した。含まれる恐れのあるSRMが何であるかについては言及がない。あるいは脳や眼がSRMとなる30ヵ月齢以上の牛の頭なのだろうか。もしそうだとすれば、消費者は30ヵ月齢未満の牛の頭と区別のしようがない。

 もう一つは、ミズーリ州・トリンブルのパラダイス・ロッカー・ミーツ社、扁桃が完全に除去されていない約120ポンドの頭を回収している。これはカンザス・シティーの小売施設やレストランに配送された。問題は、回収している施設で扁桃が完全に除去されたことを調べるFSISの日常的検査を通して発見された。

 Texas Firm Recalls Cattle Heads That Contain Prohibited Materials,FSIS,08.6.26
 http://www.fsis.usda.gov/News_&_Events/Recall_020_2008_Release/index.asp
 Missouri Firm Recalls Cattle Heads That Contain Prohibited Materials,FSIS,08.6.26
 http://www.fsis.usda.gov/News_&_Events/Recall_021_2008_Release/index.asp

 話は別だが、一度し生前検査をパスした後、と畜までの間に起立・歩行困難となった牛(狂牛病感染を疑うべきダウナーカウ)のと畜はすべて禁止されたのに(米国 ダウナーカウと畜全面禁止へ ,08.5.21)、こういう牛を無理矢理立たせる動物虐待がま だ続いていることを立証する動物福祉団体の新たなビデオが公開された。各位、確かめられたい。

 Video: Group Says Abuses Of Downed Cattle Persist,Cattle Network,6.26
 http://www.cattlenetwork.com/Beef_Cattle_Hot_Topics_Content.asp?ContentID=232288

 このように杜撰な食肉処理場検査体制では、回収騒ぎになったような例も氷山の一角ではないかと疑われる。