豪政府　BSE発生国からの牛肉輸入全面禁止を解除へ　野党は日本等への輸出が大打撃と猛反発

農業情報研究所（WAPIC）

09.10.21

　オーストラリア政府が10月20日、狂牛病（BSE）に関連した牛肉・牛肉製品の輸入政策を見直していると発表した。オーストラリアは、狂牛病発生国からの牛肉・牛肉製品の輸入を全面的に禁止してきた。これを現在見直し中で、来年3月1日から新たな政策を実施する。

　これは、適切なリスク軽減策が取られていれば輸入牛肉からの人間の健康リスクは極度に小さいと結論したJohn Mathews 教授―”40年に及ぶ疫学研究の経験をもつ優れれた科学者”ということだ―の報告に基づく決定で、広範な保健関係者の意見を聞いたが、懸念する声はなかったという。

　Australia refines its food safety rules for imported beef and beef products,Joint Media Release with Minister for Agriculture, Fisheries and Forestry Tony Burke, Minister for Health Nicola Roxon and Parliamentary secretary for Health Mark Butler,09.10.20
  http://www.trademinister.gov.au/releases/2009/sc_091020.html

  しかしながら、The Australian紙によると、野党のJohn Cobb農業関係スポークスマンは、そんなことをすればオーストラリアの牛肉輸出が大打撃を受けると猛反発している。この輸入禁止解除でオーストラリアに狂牛病が持ち込まれれば、日本や韓国のような大市場への輸出が米国牛肉並に大きく制限されることになるというのである。

　Beef exports face mad cow alarms,The Australian,10.21
　http://www.theaustralian.news.com.au/story/0,25197,26239187-5013404,00.html

　関連情報
　豪牛肉団体　米国からの輸入牛肉缶詰発見で牛肉輸入規制見直しを要望,07.6.13