農業情報研究所狂牛病 >ニュース:2012年5月21日

アメリカ4例目のBSE確認その後(2) 国際基準試験所が非定型BSEと確認 心もとない疑似患畜追跡調査

 米農務省(USDA)動植物検疫局(APHIS)が5月18日、米国4例目のBSE感染牛について、5月2日(アメリカ4例目のBSE確認その後 韓国・台湾調査団 発生農場調査を拒否される)に次ぐ新たな追加情報を発表した。

 第一に、USDAの国立獣医学研究所(NVSL)がLタイプの非定型BSEと確認した検査サンプルをカナダとイギリスの国際獣疫事務局(OIE)基準試験所が再検査、ここでもLタイプ非定型BSE陽性が確認されたという。

 5月2日に調査結果が発表された2頭の子牛以外の「数百頭に達する可能性のある出生コホート(疑似患畜)」については、追跡調査の焦点は、「なお生存しており、居場所の特定を可能にするであろう記録がある少数(10−20頭)の牛」に置かれているという。

 Update from APHIS Regarding a Detection of Bovine Spongiform Encephalopathy (BSE) in the United States,USDA-APHIS,12.5.18
 http://www.aphis.usda.gov/newsroom/2012/05/bse_update_statement.shtml

 調査は完了に近づいているというが、米国には全国にまたがる完全な個体識別システム(トレーサビリティ)がない。追跡調査の結果はどこまで信用できるのか、心もとない話である。USDAご自慢の万全ののBSE対策も、BSE対策の基本中の基本である個体識別システムを欠いているのでは話にならない。