農業情報研究所


DDT、マラソン等農薬、カエルの免疫システムを破壊ーカナダ研究者

農業情報研究所(WAPIC)

02.4.25

 カナダの研究者がDDT、ディルドリン、マラチオン(マラソン)を注入されたカエルの免疫システムがほぼ完全に破壊されることを発見した。この発見により、喘息やアレルギーのような人間の自己免疫疾患の増加が説明できる可能性があるという。同時に世界的にみられる両生類の減少にも光が当てられるのではないかという。両生類は、もはやヴィールスや寄生生物から生き残るための十分な免疫システムを失っている可能性がある。

 これらの農薬は、カエルに対して人間の免疫抑制のために使われるシクロホスファミド同等な影響を及ぼす。カエルと哺乳類は、基本的には同じタイプの免疫システムをもつから、この発見は農薬に曝されることが増えている人間に対しても重要な意味をもつ。

 DDTとディルドリンは、地上で生産された最強の毒性物質の国連リストに掲載されており、カナダでは禁止されているが、広く使われてから数十年を経た今も消失せず、カナダの野生動物や人間の組織の中に検出されている。マラソンは、カナダで作物や蚊の防除のために、現在も広く使われており、最近のニューヨーク市における西ナイル・ヴィ−ルス防除計画のように、飛行機による大規模な空中散布も行なわれている。カナダではマラソンに対する規制の見直しが進められているが、米国では、最近、蚊の防除に適切という保証が与えられている。

 Study finds DDT may spur disease ,The Globe and Mail,4.24

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