農業情報研究所


EU:2003年に320の農薬使用物質を撤去

農業情報研究所(WAPIC)

02.7.8

 7月4日、欧州委員会が、殺虫剤・殺菌剤・除草剤を含む植物保護製品(PPPs)の環境・人間の健康にとっての安全性を確保するキャンペーンの一環として、2003年にPPPsに使用される320ほどの物質をEU市場から撤去すると発表した(320 pesticides to be withdrawn in July 2003 )。

 現在の欧州委員会の取り組み方法の下では、製造業者はPPPsの「弁護」、すなわちその製品が要求された安全基準を達成していることの立証を要求される。大部分の撤去は、2000-2001年に欧州委員会が設けた通知手続に従って自己の製品を弁護することを製造者が経済的理由で辞退した結果である。これら物質の弁護を望む製造者は、2003年5月までに、EU構成国の指定された当局と欧州食品安全庁に完全なデータを提出しなければならない。ただし、代替品が準備されておらず、制限された使用に問題がない製品については、「エッセンシャル・ユース」として例外が認められる。

 欧州委員会は、近々、別の200の物質について第二次の通知を要請するが、これにより、2003年7月には、さらに150の物質が撤去される見込みと言う。

 今までに20の物質が撤去されており、320、続いて150の物質が撤去されると、1993年に販売されていたすべての物質の60%が2003年に撤去されることになる。欧州委員会は、2008年末までにすべての弁護された物質に関する決定を行なうことを目指しており、これによって、EUにおける農薬に使用を許される活性物質の調和過程が完成する。

 PPPsの許可・使用・監督は1991年に採択された指令91/414に拠っており、それはPPPsに使用される活性物質のEUレベルでの調和的許可システムを設置するものである。この指令の採択時点にEU構成国で使用を許されていた物質は800以上あった。指令は、12年間をかけて、これらすべての物質を見直す計画を創始したが、作業は遅れており、最近、欧州委員会は見直し完了を2008年7月まで延期する必要ばあると発表していた。

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