農業情報研究所環境農薬・化学物質・有害物質ニュース:2014年7月10日

ネオニコチノイド系殺虫剤が小鳥の減少と強く関連 オランダの新研究が実証

 オランダの研究者が、ネオニコチノイド系殺虫剤・イミダクロプリドが近年の小鳥の減少と強く関連していることを、おそらく初めて実証した。

 研究者は、オランダにおいて表流水のイミダクロプリドの濃度がい地域ほど小鳥の減少が激しいことを示した。1リットル当たり20ナノグラムの濃度の水汚染は年平均3.5%の小鳥の減少につながった。一部の水域のイミダクロプリド濃度はその50倍にもなる。しかも、小鳥の減少はオランダにイミダクロプリドが導入された1990年代の半ばから始まったことも示された。

 研究者は、小鳥の減少をもたらす他の有力な要因と見られている農業の集約化を含む土地利用の変化との関連も調べたが、イミダクロプリドの影響の方がはるかに大きかった。

 多くの小鳥は昆虫を餌としている。特に子育て期には大量の昆虫が必要になる。ところが、イミダクロプリドによる環境汚染で昆虫が大きく減る。それが小鳥の数の減少を引き起こすと見られるという。

 Caspar A. Hallmann et al,Declines in insectivorous birds are associated with high neonicotinoid concentrations,Nature,09 July 2014
  http://www.nature.com/nature/journal/vaop/ncurrent/full/nature13531.html